研究顧問座談会:土木構造物は100年後を意識してメンテナンスすべき(三木教授)
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■橋梁は100年たった時点でも所定の機能を保持していなくてはならない
【三木】 宮川先生のご指摘で、私も常に感じているのは、時間軸が土木構造物は長いということです。道路橋の場合は[+]道路橋示方書という守らなければいけない基本ルールがありますが、前回の改訂のときに、私は[+]耐用年数100年と入れようとしたのです。要するに橋梁の想定する設計寿命です。今まで書いてなかったのです。アメリカは100年、イギリスは120年です。
【三木】 宮川先生のご指摘で、私も常に感じているのは、時間軸が土木構造物は長いということです。道路橋の場合は[-]道路橋示方書という守らなければいけない基本ルールがありますが、前回の改訂のときに、私は[-]耐用年数100年と入れようとしたのです。要するに橋梁の想定する設計寿命です。今まで書いてなかったのです。アメリカは100年、イギリスは120年です。
道路橋示方書:道路法およびその関係政令である道路構造令において示されている、橋および高架の道路の構造に関する技術基準を定めたもの。
参考リンク:道路橋示方書について(JSCE.jp - 土木学会)
設計寿命:工業製品や土木構造物等において、設計段階で機能を維持するものとして設定される期間。=耐用年数
本州四国連絡橋のときは、[+]疲労設計から何から勘定して耐用年数を100年と入れましたが、結局100年は枠の外、というか解説の方にしか残りませんでした。首都高にせよ、1960年頃の材料は今とは全く違う。そうすると、どんどん新しいテーマが出てきます。それでも100年保たさなければいけない。
本州四国連絡橋のときは、[-]疲労設計から何から勘定して耐用年数を100年と入れましたが、結局100年は枠の外、というか解説の方にしか残りませんでした。首都高にせよ、1960年頃の材料は今とは全く違う。そうすると、どんどん新しいテーマが出てきます。それでも100年保たさなければいけない。
疲労設計:金属やコンクリート等の構造物材料において、経年劣化に伴う強度劣化・暴露劣化等を考慮し、長期における構造物性能の維持を図る設計手法
[+]LCCをやっている方は逆に100年経ったら壊れてもいいという感覚でしょうが、橋梁は実は違うのです。橋梁は100年経った時点でも所定の機能を保持していなくてはならないのです。そこでしっかりとリハビリテーションするというのが原点だということをずっと申し上げてきて、やっと最近それが理解されるようになったのですが、問題は100年経ったら捨てていいのかということです。
[-]LCCをやっている方は逆に100年経ったら壊れてもいいという感覚でしょうが、橋梁は実は違うのです。橋梁は100年経った時点でも所定の機能を保持していなくてはならないのです。そこでしっかりとリハビリテーションするというのが原点だということをずっと申し上げてきて、やっと最近それが理解されるようになったのですが、問題は100年経ったら捨てていいのかということです。
LCC(Life Cycle Cost):ここでは土木構造物にかかる生涯コストを指す。建造物の企画・設計から、竣工・運用を経て、耐用年数がきて解体処分するまでの全期間に要する費用。
最初、50年というのが生きていたのです。これは1952年とか53年とか、大蔵省に[+]財産管理の何とかというのがありますね。償却年限は50年とかそんなものです。そうすると、新幹線も首都高も、もうそろそろ、その期限がくる。そこで捨てるのかどうかなのですが、もうその周りに街ができあがっており、建造当初の構造物本体そのものの価値とは別の価値がありますから、建設コストの問題だけではなく、要するに100年ということを意識すべきだということは強く申し上げているところなのですが。
最初、50年というのが生きていたのです。これは1952年とか53年とか、大蔵省に[-]財産管理の何とかというのがありますね。償却年限は50年とかそんなものです。そうすると、新幹線も首都高も、もうそろそろ、その期限がくる。そこで捨てるのかどうかなのですが、もうその周りに街ができあがっており、建造当初の構造物本体そのものの価値とは別の価値がありますから、建設コストの問題だけではなく、要するに100年ということを意識すべきだということは強く申し上げているところなのですが。
償却性資産である有形固定資産の減価償却年数:財務省令や地方公営企業法施行令等に準拠して行われる償却性資産である有形固定資産の減価償却年数を指す。
【参考:主な構造物の耐用年数】
- 道路:15年
- 橋りょう:60年
- 河川:50年
- 建物非木造事務所:50年
- 建物非木造住宅・学校等:47年
- 建物非木造倉庫等:38年
- 建物木造事務所:24年
- 建物木造住宅・学校等:22年
- 建物木造倉庫等:15年
参考リンク:減価償却資産の耐用年数等に関する省令(法令データ提供システム)
それからもう一点、会議で配布された資料にブルックリン橋が出ているので例に挙げますが、ニューヨークはこの後、大リハビリテーションをかけたのです。その結果すべての橋がきれいになったのですが、基本的な考えはそのリハビリテーションにかかる初期建設費は新たに橋を架けたのと同等、いやその2倍くらいかかってもいいと言っているわけです。なぜならば、古い橋を壊さずにやるわけです。今あるものを生かしながらリニューアルしていくというような技術に対して、彼らは相当勉強したということです。実は新しいほうには全部、ここにセンサーがついているのです。
それから、その次の[+]ウイリアムズバーグ橋というのは、実は落ちかかったのです。メーンケーブルが切れたので、当時の市長は橋を通行止めにしました。そうしたら暴動が起きました。そこには地下鉄と道路と両方抱いていますから、向こう側から渡れなくなったわけです。そこでイースト川にフェリーを動かしながら、古い橋を生かしながら直す方向で改修工事を行ったのです。そういうときの感覚は、先ほども申し上げたように、建設費と(事業をやらなかった場合の)社会的損失とを比べ、そのオーダーが2つ3つ上がるということを意識していくと、これから先の技術や人材投入を含む方向性が見えてくるという気がしました。
それから、その次の[-]ウイリアムズバーグ橋というのは、実は落ちかかったのです。メーンケーブルが切れたので、当時の市長は橋を通行止めにしました。そうしたら暴動が起きました。そこには地下鉄と道路と両方抱いていますから、向こう側から渡れなくなったわけです。そこでイースト川にフェリーを動かしながら、古い橋を生かしながら直す方向で改修工事を行ったのです。そういうときの感覚は、先ほども申し上げたように、建設費と(事業をやらなかった場合の)社会的損失とを比べ、そのオーダーが2つ3つ上がるということを意識していくと、これから先の技術や人材投入を含む方向性が見えてくるという気がしました。
ウィリアムズバーグ橋(Williamsburg Bridge):米国ニューヨーク市のイースト川に架かる吊り橋。マンハッタン東部とブルックリン地区を結ぶ。1980年代に大規模な改修工事が行われている。